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2016年01月16日

作り手責任2

さて、次は銅像です。

今までに最も多く作られたのは親鸞聖人像でしょうか。
幾つかの鋳型を溶接でつなげて完成させます。

30年ほど前、
業界として鋳造技術は長けていても溶接の技術ノウハウがどうだったか。
銅の溶接には銀ローを使用しますが、確かな素材ではなかったのでは?
溶接機の精度も高くなかったのでは。


今回の案件は
・銅像に白い線が出てきている
・手首の袖の部分で亀裂が見られる

作り手責任2
白い線はパテと呼ばれるモノ。
丁度、溶接部分の粗隠しかそれとも結合部の保護のためか判りません。
経年で銅像の塗料が落ち、地肌のパテが目立ってきた状態です。

作り手責任2
亀裂は溶接技術の未熟さは招いた症状です。

今回、全て修理を完了してきました。

今は製造工程においてISOの基準に沿って検査を行い
技術講習も社外講師を招いたりして
このような製品が出来上がらないようにしていますが
平成の初期、まだまだ品質管理が行き届いていなかったのです。

同時期に複数の問い合わせがあったということは
今後も、このような案件は出てくる考えています。


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Posted by 金壽堂 at 16:50│Comments(0)メンテナンス
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