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2017年12月15日

今年最後の

昨日、朝起きたら積もっていた今年初めての大雪も、
今日の陽気でだいぶん溶けてくれそうです。
でもまた週末雪のマークが・・・
あまり積もらなければいいのですが。





今日は、今年最後の火入式です。
鋳込みの作業は一瞬ですが、毎回緊張の瞬間です。





金壽堂では、撞木・吊金具等の交換もさせて頂いております。
また、廃寺・梵鐘のお引き取り等のお困りごともございましたら
一度ご相談ください。
無料でお見積りもさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。   


Posted by 金壽堂 at 11:36Comments(0)

2017年11月27日

天気のいい日は

今日は抜けるような青空。
とても暖かく、いいお天気です。
構内の桜の紅葉もそろそろ終わりの時期、
落ち葉拾いもやっと一段落(笑)



これからの時期、天気のいい日はとても貴重です!
晴れた日はコンニャクを外に出して、天日干し。
少しでも天気が悪くなってきたら、すかさず屋内へ。
雨で濡れたら大変ですからね。
毎日天気とにらめっこしながら、出したり入れたりを繰り返し、
コンニャクがカラカラになるまで乾かします。
地味ですが、これも大切で大変な作業です。





金壽堂では、撞木・吊金具等の交換もさせて頂いております。
また、廃寺・梵鐘のお引き取り等のお困りごともございましたら一度ご相談ください。
無料でお見積りもさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。   


Posted by 金壽堂 at 15:40Comments(0)梵鐘

2017年11月16日

撞木のお話

最近、撞木交換のご依頼・お問い合わせをよく頂きます。
年末の除夜の鐘に向けてのメンテナンスの時期なのかもしれませんね。

梵鐘は50年100年と長く受け継がれていくものですが、
撞木、吊り金具等は消耗品なので定期的なメンテナンスが必要になります。
特に撞木は木材ですので、長年雨風にさらされていると木が朽ちてきてしまいます。
まだ大丈夫。と思っていても、早めのメンテナンス・交換がお勧めです。
何かあってからでは遅いですからね。
撞木を交換すると、鐘の音もまた変わってくるそうです。
新しい撞木で、美しい鐘の音を響かせて欲しいものです。



金壽堂では、撞木・吊金具等の交換のご相談もお受けしております。
また、廃寺・梵鐘のお引き取り等のお困りごと等もございましたらご相談ください。
無料でお見積りもさせて頂いておりますので、
お気軽にお問い合わせください。  


Posted by 金壽堂 at 14:56Comments(0)メンテナンス

2017年01月16日

久しぶりの大雪です

土曜日から降り続いた雪・・・
今朝起きたらびっくりface08!!!久しぶりの大雪で、
親鸞さんの笠の上にもたくさんの雪が積もってます。



昨年の年末近くより、ひょんなことから金壽堂でお世話になることになり、
今年よりblogを任されることになりました。
鋳物のいの字も知らない私ですが、
梵鐘作りのあれやこれ、いろんなことをブログに発信していきたいと思いますface01  


Posted by 金壽堂 at 15:56Comments(0)

2016年01月18日

音響測定

一昨年より梵鐘出荷時に
製品の合金含有比、重量、音響測定結果などを記載した
製品保証書を付けています。




他社様はどうか知りませんが
そのきっかけにとなったのが、先日のBlogに書いた
作り手責任を明確にするということです。

さて、音響測定結果について

今回は2尺6寸の梵鐘2種の音色の周波数(一番強い音)と残響時間を示したグラフです。
梵鐘を撞くと幾つか異なる周波数の音がでます。
2台とも280Hz付近と430Hz付近の音が強く、この音が重なりあって
強弱のある残響が出てきます。

残響はあるレベルの音を基準にー36dBまで下がる時間を測定し
耳に聞こえる残響時間に置き換えて、測定しています。

今回の2種。
中子(内側の型)を少し削り、全体の厚みを数ミリ変えました。
総重量の差は5kg。この数値から如何に微妙な違いか判ります。

その結果


一方は288Hzが強く、波型も整った形になっています。


もう一方は431Hzが強く、先のものより少し高音になっています。
また、音も何種が出ています。


残響音は288Hzの方が1.5倍以上の数値で
耳で聞こえる残響音は、弊社の基準である2分以上を大きく超えては3分近くになります。
(決して強く撞いているわけではありません)

音は好みがあり、どちらが良いとかの事ではなく、
安定した品質を保つための製造方法に、
しっかりとしたデータの裏付けが必要と言うことです。

この業界よく言えば「一子相伝」
確かに名人と呼ばれる職人が勘と経験でモノづくりする逸品も
ありでしょうが、今、私たちがやることは
しっかりした記録を残し、最高の品質を保つことだと
考えています。
  


Posted by 金壽堂 at 15:31Comments(0)梵鐘

2016年01月16日

作り手責任2

さて、次は銅像です。

今までに最も多く作られたのは親鸞聖人像でしょうか。
幾つかの鋳型を溶接でつなげて完成させます。

30年ほど前、
業界として鋳造技術は長けていても溶接の技術ノウハウがどうだったか。
銅の溶接には銀ローを使用しますが、確かな素材ではなかったのでは?
溶接機の精度も高くなかったのでは。


今回の案件は
・銅像に白い線が出てきている
・手首の袖の部分で亀裂が見られる


白い線はパテと呼ばれるモノ。
丁度、溶接部分の粗隠しかそれとも結合部の保護のためか判りません。
経年で銅像の塗料が落ち、地肌のパテが目立ってきた状態です。


亀裂は溶接技術の未熟さは招いた症状です。

今回、全て修理を完了してきました。

今は製造工程においてISOの基準に沿って検査を行い
技術講習も社外講師を招いたりして
このような製品が出来上がらないようにしていますが
平成の初期、まだまだ品質管理が行き届いていなかったのです。

同時期に複数の問い合わせがあったということは
今後も、このような案件は出てくる考えています。  


Posted by 金壽堂 at 16:50Comments(0)メンテナンス

2016年01月14日

作り手の責任

納入実績を調べると、今までに2回は特需があったと思います。

1回目は昭和22年頃から5年間ほど。
大戦中、金属供出令により江戸時代以降の梵鐘が姿を消しました。
終戦後、多くのお寺で再鋳造が行われました。

記録には大手造船業作など、なんでもありの状態であったと推察されます。

もうひとつは昭和60年代から平成初頭に作られた
「親鸞聖人」の銅像です。
親鸞聖人ですから浄土真宗のお寺です。
原因は定かではありませんが、何らかの仕掛けがあったと想像できます。

さて、梵鐘は60年以上経つわけで
色々な問合せが来ています。

・ひび割れていないか?
・音がどうも悪い感じがする
・吊金具は大丈夫か?

昨年、関東のある寺院から「どうも音が悪い」という問い合わせがありました。

結局、再鋳造の結論をされたのですが
引き揚げてきた梵鐘を調べて、当時の様子が浮かびます。

梵鐘の大きさは3尺2寸になっていますが
実際は3尺1寸程度。
重量は今のカタログでは1.2tとなっていますが
実重量は825kg。

昔は重量(1貫単価×貫数)で値が決まっていたようです。

つまり、裏付ける製品仕様書なども発行されず
メーカーの意向で収められたと推察できます。

ここでネガティブキャンペーンをするつもりはありません。

メーカーとして、「梵鐘」をどのように捉え、
次世代に残る確かな製品づくりと
撞き手の思いが叶えられるような音色づくり。

改めて、責任を感じた日になりました。

銅像の件、また改めてご報告します。  


Posted by 金壽堂 at 18:10Comments(0)メンテナンス

2016年01月12日

新年、明けましておめでとうございます。



Blogはすっかり手つかず状態に(>_<)

本当に温かい、穏やかな新春を過ごす事が出来ました。

さて、今年の初荷ですが
送り先は中国。
古代型風鐸を一対納品しました。

文化大革命時に多くの寺院が取り壊されたと聞いていたが
今世紀に入り、政府の方針転換に伴い多くの寺院が復興し始めている。

今回、HPの未完部分に手を加え
英語バージョンには「梵鐘と日本人」のコメントを入れました。

やることは山積している状態ですが
ひとつひとつ手を抜かず、飛躍の年にしたいものです。





  


Posted by 金壽堂 at 18:01Comments(0)ホームページ

2015年08月25日

撞き座の木型

梵鐘の顔とも言える「撞き座」

今回3尺を作るにあたり木型を新調しました。


従来から使用しているものは3尺~3尺4寸用。(左)
つまり、3尺では少し大きく見えるためと
全体のバランスを考えての変更です。


仏師経験20年の社長。
時間外に工房でこつこつと。。その姿は水を得た魚のように見えました。

従来の資産を受継ぎつつ新しい思いを込めての逸品です。


文字入れが終わり、撞き座や文様を入れて行く作業が続きます。














木型から土型を作り、よく乾かして撞き座部分にはめ込んで
周辺を丹念に仕上げます。


型を入れる作業は単純作業(と言っても難しい)
ただ、線を入れる作業は感と経験・・センスが必要。

ベテラン職人は「誰か早く身に付けて欲しい」と本音が出てきます。

日に日に外型の形が見えてきました。

  


Posted by 金壽堂 at 16:24Comments(0)梵鐘

2015年08月21日

早朝作業

今回製造している梵鐘は直径が3尺。
最近では最も大きい部類に入ります。


型の中に入ると、人の背を越すほどになります。


文字入れは殆どが梵鐘の中での作業になるため、
暑さを避けて早朝6時から開始。



紙で作った文字型を和紙に貼り、
逆さにした外型に金具を叩いて、文字を入れて行きます。





文字厚は2mm程度。





逆さ故、逆さになって叩く方がやりやすいとは職人の弁。
腰まで中に入れて作業します。
文字型をはがす時にも細心の注意が必要です。

微妙な曲線に合わせて位置を決め、同じ強さで、下場を決めて中から外側へと・・・。
まさに職人の技。



作業が一段落し、クレーンで外へ。
電灯の熱・湿気・緊張からようやく解放です。



これと同時に2尺6寸の梵鐘も着手します。

地道な土の型(コンニャク)作り。

気になるのはこの天候です。
表面だけでなく芯まで乾燥さすには、時間をかけての自然乾燥しかありません。

「結局はこの手間が一番のコスト」
休業日でも少しの晴れ間があれば天日干しにリフトを動かす社長であります。  


Posted by 金壽堂 at 18:40Comments(0)梵鐘